訪問看護は、高齢化社会や慢性疾患の増加に伴い、ますます重要性を増しています。ですが、訪問看護の実施には十分な看護師の確保が必要であり、看護師不足の問題が顕著になっています。
「訪問看護ステーション蒼」でも、ネット広告、SNSなどで正看護師の募集を行っていますが、決して反応が多いとは言えません。看護師の求人事情はどうなのだろう、と実際に検索してみると病院や近隣の看護ステーションも同じように募集をかけているようです。
でもそのほどんどが人材紹介会社経由です。これでは、うちのような規模のステーションがアピールしたところで広告費の面だけでも敵うわけないよね・・・
そのようなことを考えつつ調べていたところ面白い文献を見つけました。せっかくなのでタイトルを付けて記事風にまとめてみました。
訪問看護の革新:「ロボットナースが拓く新たなケアの道」
看護師不足の課題に対処するために、新たなアプローチが求められています。そのひとつが、ロボットナースの活用です。
ロボットナースは、訪問看護に革新をもたらす可能性を秘めています。高度な技術を駆使し、患者の自宅でのケアを支援することができます。例えば、患者の健康状態をモニタリングし、医師や看護師に報告することができます。また、薬の管理や簡単な医療処置を行うことも可能です。
ロボットナースの導入により、訪問看護の効率性が向上します。人間の看護師が不足している地域や時間帯でも、ロボットナースが必要なケアを提供することができます。さらに、ロボットナースは24時間体制で働くことができるため、夜間や休日などの時間帯でも安定したサービスを提供することが可能です。
しかし、ロボットナースの導入には課題もあります。例えば、高度な技術を要するため、導入コストが高額になる可能性があります。また、患者とのコミュニケーションにおける課題や、個々のニーズに対応する能力の限界も考慮する必要があります。
そのため、ロボットナースを訪問看護に導入する際には、慎重な計画と適切なトレーニングが必要です。また、人間の看護師との協調作業や、患者のニーズに合わせたカスタマイズも重要です。
訪問看護は、高齢化社会や慢性疾患の増加に伴い、ますます重要性を増しています。ロボットナースの導入により、訪問看護の効率性や品質が向上し、より多くの人々が質の高いケアを受けることができるでしょう。
参考文献
医療現場における対人援助・感情労働にAI・ロボットは何ができるのか? https://rad-it21.com/ai/morimoto-seiichi_20201008/ 日本医療研究開発機構「介護分野におけるコミュニケーションロボットの活用に関する大規模実証試験報告書(修正版)」2017年7月27日https://x.gd/BLIN6
ちょっと飛躍し過ぎているようにも思いますが、将来、こんな事が当たり前になる日が来るのでしょうか・・・
話が逸れましたが、どうすれば看護師不足を解消できるものか、休職中の看護師の声にヒントがあるのかもしれません。そこで看護師(今は働いていない + 結婚してお子さんがいる方)にアンケート調査を行うことにしました。
目次
- 【子持ち看護師の働き方調査】89.6%の人が働きたいと回答。現実は保育園や学校が障害に。
- 子育てと両立できたら働きたいと考える看護師が大多数
- 免許があっても働きたいと思わない理由とは?
- 仕事復帰で働きたい勤務先の形態は「クリニック等」が多数
- 働いていない理由、1位は「ライフスタイルに合う募集が見つからない」
- 32.8%が回答。訪問看護は「1人で対処するので孤独」なイメージ
- まとめ:看護師不足解消は子育てと両立できる働き方が重要
【子持ち看護師の働き方調査】89.6%の人が働きたいと回答。現実は保育園や学校が障害に。
訪問看護ステーション蒼の代表取締役、向井 啓和は、看護師(今は働いていない + 結婚してお子さんがいる方)を対象に「子持ち看護師の働き方」に関する調査を実施しました。
看護師は、家事や育児と仕事の両立が難しい職種の1つだと言われています。妊娠・出産を機に仕事を辞めてしまったという方も多いのではないでしょうか。
その後再就職しようと思っても、働く時間が不規則だったり、夜勤があったりすることでどんな働き方が自分に合っているか悩んでしまう方も多いかもしれません。
そこで今回、訪問看護ステーション 蒼(https://ao-minato-tokyo.jp/)は、看護師(今は働いていない + 結婚してお子さんがいる方)を対象に「子持ち看護師の働き方」に関する調査を実施しました。
子育てと両立できたら働きたいと考える看護師が大多数
はじめに「子育てと両立出来たら働きたいですか?」と質問したところ、約9割の方が『はい(89.6%)』と回答しました。
続けて、働きたいと回答した方にうかがいました。
「働く為の行動をしていますか?」と質問したところ、『勤務先を探している(50.0%)』『出産前の勤務先への復帰を検討している(28.9%)』『特に行動していない(21.1%)』という回答結果になりました。
約8割の方が実際に求職行動をしていることが明らかになりました。中でも新たに勤務先を探している方が多いようです。
免許があっても働きたいと思わない理由とは?
「働くにあたって何が障害ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『保育園や学校との兼ね合い(入園できるかどうか等)(64.2%)』と回答した方が最も多く、次いで『勤務時間(59.2%)』『経験のある業務内容と求人内容の違い(29.4%)』と続きました。
再就職を検討する場合、まず子どもの預け先について悩む方が多いようです。また、勤務時間が障害になっていると感じている方も多く、育児と両立できるかどうか不安に感じていることがうかがえます。
次に、前述の質問で働きたいと思わないと回答した方にうかがいました。
「免許を持っているが働きたくない理由は何ですか?(複数選択可)」と質問したところ、『労力と報酬が見合わない(47.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『子育てを重視したい(47.6%)』『夜勤ができない(42.9%)』と続きました。
看護師は、体力・気力が必要な仕事であり、報酬が見合わなければ働き続けるのは難しいと考える方は多いのではないでしょうか。
また、子育てと両立できないと考え、再就職を検討していない方も多いことが示されました。
仕事復帰で働きたい勤務先の形態は「クリニック等」が多数
前述の質問で育児と両立できたら働きたいと回答した方に「働きたい形態はなんですか?(複数選択可)」と質問したところ、『クリニック等(56.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『総合病院(40.0%)』『大学病院(25.0%)』と続きました。
約6割の方がクリニック等で仕事復帰したいと考えていることが明らかになりました。
その理由をうかがってみましょう。
■クリニック等で働きたいと考えている理由を教えてください
- ・時間外勤務が少なそうだから(30代/長崎県)
- ・休みがとりやすい(30代/兵庫県)
- ・夜勤がないから(40代/東京都)
- ・フルタイムで働くことは考えてないので、短時間などで働けそうなイメージ(40代/新潟県)
働いていない理由、1位は「ライフスタイルに合う募集が見つからない」
「働いても良いと思っていても現在働いていない理由を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『ライフスタイルに合う募集が見つからないため(59.4%)』と回答した方が最も多く、次いで『急な休みを取るのが難しいため(52.2%)』『働く気が起きないため(16.7%)』と続きました。
仕事を探してはいるものの、ライフワークバランスを重視した結果理想の勤務先が見つかっていない方が多いようです。
もしも、自身のライフスタイルに合う募集を見つけることができれば違った結果になることが示唆されます。
次に、働きたい形態の質問で「訪問看護ステーション」「その他」以外を回答した方にうかがいました。
「訪問看護ステーションでの勤務を選ばなかった理由はなんですか?(複数選択可)」と質問したところ、『働いたことがないため(46.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『身近に勤務先がないため(37.7%)』と続きました。
32.8%が回答。訪問看護は「1人で対処するので孤独」なイメージ
「訪問看護ステーションの現状について、イメージに当てはまるものを教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『患者家族の対応が大変(40.8%)』と回答した方が最も多く、『1人で対処するので孤独(32.8%)』という敬遠気味なイメージが目立ちます。反対に第3位には『子育てと両立しやすい(32.8%)』という回答。では訪問看護ステーションの勤務には、どのようなメリットがあるのか気になるところです。
「訪問看護ステーションの勤務形態のメリットに関して、知っている点を教えてください(複数選択可)」と質問したところ、『夜勤がほとんどない(54.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『色々な勤務形態の方を受け入れてくれる(週1勤務、午前中のみ勤務等)(28.9%)』『直行直帰可(スケジュール次第では、自宅から直接、訪問先を回り、そのまま帰宅)(25.4%)』と続きました。
夜勤がほとんどなく、勤務時間の融通が利きやすい職場であれば、子育てとの両立もしやすいということがうかがえます。
まとめ:看護師不足解消は子育てと両立できる働き方が重要
今回の調査で、子どもを持ち今は仕事をしていない看護師の方々の労働意欲や、それに対する障害などが明らかになりました。
大多数の方が子育てと両立できるのなら再就職したいと考えているものの、時間的な制限や夜勤などがある勤務先では働くのは難しいと考えている方が多いようです。
高齢化社会の進展や医療費負担の増大から、在宅での終末期医療の需要は増加している一方、働き手である看護師不足は、日本の課題とも言えます。シフトの柔軟性や働く時間の選択肢、フルタイムやパートタイムとフレキシブルな働き方の提供が必要かと感じます。
ライフワークバランスを考えると、夜勤がほとんどなく、時間の融通も利きやすいため、訪問看護ステーションは子どもを持つ看護師の再就職場所として理想的な選択肢の1つと言えるのではないでしょうか。
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調査概要:「子持ち看護師の働き方」に関する調査
【調査期間】2024年2月5日(月)~2024年2月6日(火)
【調査方法】リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
【調査人数】201人
【調査対象】調査回答時に看護師(今は働いていない + 結婚してお子さんがいる方)であると回答したモニター
【調査元】訪問看護ステーション 蒼(https://ao-minato-tokyo.jp/)
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ